ホームヘルパーとは何か
ホームヘルパーとは何か?
ホームヘルパーとは、
肉体的・精神的に日常生活を送るのに支障のある高齢者や障害者に、
その生活面でのサポートを行うために利用者の家庭に訪問し、サービスを提供する人のことです。
「訪問介護員」という呼称で呼ばれることもあります。
どんなことするの?
ヘルパーの仕事は大きく二種類に分類されます。
身体介護 | 生活援助 |
ひとつは身体介護と呼ばれるサービスです。 そのうち、30分未満のサービスを巡回サービスといいます。 | もうひとつのサービスを生活援助といいます。 「家事援助」サービスが基本になっています。 |
2003年4月の改正以前は
「身体介護」、「家事援助」に加えて
その折衷型として「複合型介護」「複合家事」「身体家事」と
分類されていましたが、
その区分に明確な定義はありませんでした。
2003年4月からはそれらを統合して
「生活援助」として分類されています。
ホームヘルパー、どうして必要なの?
「ホームヘルパー」とは、もともと「老人家庭奉仕員」と呼ばれ、
昭和30年代から法制化されていました。
昭和57年度の法改正まではあくまで救貧対策としての事業でした。
「ホームヘルパー」という言葉が法的に用いられるようになったのは
さらに遅れて平成2年度からのことでした。
つまり、非常に新しい言葉であるわけです。
年配の方、または利用者さまのなかに、
ホームヘルパーに対して抵抗感を感じているケースが多いと思いますが、
それはヘルパーが救貧制度の中で生まれた制度であり、
お上の世話にはなりたくない、という印象が強いためでもあります。
以前の日本では「家庭介護」が当然とされてきました。
社会的責任として高齢者のケアを行うという考えが浸透したのは
それほど昔の話ではありません。
「施設介護」を中心に進められてきた高齢者介護ですが、
施設よりも低コストで、地域社会での生活を目指す「在宅介護」が
重要視されるようになりました。
ホームヘルプサービスは、デイサービス、ショートステイとともに、
在宅福祉三本柱として脚光を浴びるようになりました。
2000年の介護保険スタートにより、広く一般にも知られるようになり、
現在に至ります。
![](https://www18.a8.net/0.gif?a8mat=35HLIL+8QYDC2+2YJA+TSYJL)
お手伝いさんとどう違うの?
ちょっと難しい話で、
あまり理解していない方もいると思いますが、これは違います。
ホームヘルパーが提供するサービスは
「自立支援」を目的としており、あくまで公的な介護保険制度のもとで提供されるサービスです。
サービスにかかる費用は介護保険の中からまかなわれています(自費負担分を除く)。
お手伝いさんは、個人と個人(もしくは企業)の間に成り立つ契約サービスであり、
公的サービスとは異なります。
お手伝いさんは、主人の申しつけの通りにその要求を叶えるわけで、
そこには明確な違いがあります。
ヘルパーには地域に高齢者に対して自立に向けた援助を提供するという
社会的な責任を持っています。
公的資格もあり、プロフェッショナルとして業務にあたります。
相手がお客さまだからといって、
何でもその要求を受け入れることが仕事ではなく、
それが「自立支援」を目的としているかに基づいて、
援助計画が作成され、サービスが提供されています。
そこを理解していただくのも大変なわけですが・・・。
平成14年 掲載
![](https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=35HLIL+8TC3R6+2GHK+NU729)
資格としてのホームヘルパーは養成を終了
これまで、民間資格としてホームヘルパー1級・ホームヘルパー2級・ホームヘルパー3級という資格がありました。これが介護の専門職としてのスタートアップ資格となっていましたが、これらの資格体系の見直しが行われました。
身体介護のサービスを提供できるホームヘルパー2級資格は、現在は介護職員初任者研修に切り替わり、人材養成を行っています。
資格として「ホームヘルパー」という名称が使用されることはなくなりましたが、役割として訪問介護員は今まで通りホームヘルパーと呼ばれています。
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