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ホームヘルパーの医療行為について

公開日: : 最終更新日:2014/01/22 コラム

医療行為の壁を越えて

医療イメージ

今回のテーマは、介護職による「医療行為」について。

なぜ、介護職による医療行為が行われているのか、
「医療行為」とはそもそも何か、
介護職に本当に求められているサービスを「医療行為」という側面から見つめます。


「医療行為」解禁へ

介護職の前に大きく立ちはだかる「医療行為」の壁。

しかし、絶対的だったこの「医療行為」の壁がゆらぎはじめています。

平成17年3月31日。

厚生労働省は、一部の「医療行為」とされていた日常生活的な行為を

「医療行為」から除外することを決定しました。

「医療行為」とヘルパーのあり方が変わりはじめています。

「医療行為」とは?

医師法17条 “医師でなければ、「医業」をなしてはならない。”

「医療行為」とは、
「医師法」によって、医師以外のものがしてはいけない行為のことです

医業を医師の独占とさせ、一般の人が医業を行うことを禁止するために、
医師法によって定められました。

これを犯したものには、 2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます。

介護職には当然、「医療行為」が禁止されています

その「医療行為」の中には、
リスクの高い医療的な行為だけではなく、爪切りや耳掃除などの日常生活の中での行為も含まれていました。

介護現場の苦悩

しかし、
ヘルパー・介護職は時として「医療行為」が必要なケースに関わります。

たんが詰まっている利用者に対して、 たん吸引を行わなければ呼吸停止の危険も伴います。

しかし、ヘルパーが行う医療行為は法律違反であり、罰則が伴います。

これがヘルパー・介護職を悩ませ続けた「医療行為」の壁です。

吸引や栄養注入だけでなく、
爪切りや耳掃除、湿布の張替え、軟膏塗布、薬の内服の介助・・・。

さまざまな日常的な行為もこの「医療行為」とみなされ、
それらに関する利用者からの要求に対しては応えることができない、ことになっていました。

このことが、利用者の誤解を招き、信頼関係に傷をつけることになるケースも少なくありませんでした。

また、事業所内での「医療行為」に関する取り扱い方の徹底がなされていないために、
Aさんはしてくれたのに、Bさんはしてくれない。

といったやりとりがされることも少なくありませんでした。

しかし、爪が伸びすぎた利用者の爪を放っておくわけにもいきません。

服薬の介助をしなければいけないこともあります。

犯罪であることを知りながら、それを犯してケアをしてきました。

「医療行為」の壁の大きさを感じつつ。

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医療行為解禁へ

しかし、この「医療行為」の壁が崩れ始めました。

発端は在宅のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者からの要望でした。

ALS患者は日常的にたん吸引の必要がありましたが、
吸引が許されている看護師の利用は制限があり、
結局、家族が常にそのケアにあたらなければいけませんでした。

ALS患者の当事者団体が立ち上がった結果、ALS患者に限定して
ヘルパーによるたん吸引が認められるようになりました。

しかし、日常的にたん吸引が必要なのはALS患者には限りません。

それ以外の患者に対するたん吸引を認可することを求めた運動が強くなりました。

そして、ヘルパーによるたん吸引を認可した結果、
大きな事故の報告もなく、認可することへのリスクの低さも証明された形になりました。

「医療行為」の壁がようやく揺らぎ始めたのです。

そして、今回。
「医療行為」の一部を誰でもできる行為へと除外するという決定がなされました。

今回、認可されたのは日常生活に関するいくつかの行為で、

つめ切り
湿布のはり付け
軟膏塗布
座薬挿入
薬の内服の介助
浣腸
検温
血圧測定 

などです。

また、入院治療の必要がなく容体が安定し、医師の経過観察も不要な患者であれば、

目薬の点眼
あらかじめ分包されている薬の服用
鼻の穴から薬剤を吸入するネブライザーの介助
軽い切り傷や擦り傷、やけどなどのガーゼ交換

なども認められるようになりました。

たん吸引や注入などは見送られましたが、
今後もその是非についての議論は行われることでしょう。

しかし、これによって、ヘルパーには医療・看護に関する知識が必要になります。

服薬がヘルパーの責任で行われることになれば、
ヘルパーはその薬の効能や副作用についての知識も求められるようになります。

吸引が認可されれば、当然その手技についても習得しなければいけません。

介護保険の見直しにむけて、
介護職のあり方も大きく変わろうとしています。

ご意見はこちらまで

井戸端会議掲示板より 【医療行為】

平成17年掲載

平成21年6月追記:医療行為の一部が解禁

平成21年6月6日付の発表で、
厚生労働省は特別養護老人ホーム(特養)の介護職員に医療行為の一部を認める方針を固めました。

ここで認められるようになった医療行為は、口腔内のたん吸引、経管栄養の観察・片付けとなります。

まずはモデル事業からのスタートとなるようですが、医療行為というグレーゾーンの解釈は大きく変わってきそうです。

今回、対象になったのは特別養護老人ホームだけですが、これを機に、他の施設や在宅でのサービスも対象になってくることも考えられます。

これからは、介護職員も医療行為と呼ばれていた行為の一部についても、
積極的に研修などを受ける機会が保証される反面、
介護職の業務内容の見直しなどが必要になる職場なども多いかもしれません。

今後もこの問題についてはチェックしていきたいと思います。

平成24年4月より、たん吸引などの医療行為も解禁。

平成24年4月の介護保険法改正に伴い、ホームヘルパーでも一定の研修を受講することで、口腔内・鼻腔内・カニューレ内のたん吸引が認められるようになりました。

在宅ではたん吸引に限られますが、特別養護老人ホームなどの施設では経管栄養なども介護職員で行えるようになっています。

介護職員に求められる役割なども変わってきているということですね。

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