准介護福祉士とは

社会福祉士・介護福祉士法の見直しの中で、突然振って沸いてきたかのように登場した新しい国家資格、それが准介護福祉士です。

ここでは、准介護福祉士誕生までのいきさつや問題点について紹介します。

准介護福祉士とは

社会福祉士・介護福祉士法は、昭和62年に生まれた法律で、福祉の専門職としての国家資格「社会福祉士」・「介護福祉士」を規定するものでした。

年々、社会福祉士・介護福祉士は増え続け、福祉社会を支える中核的なマンパワーとなりつつあります。

その法律が、改正される根拠として、厚生労働省はこういった背景をあげています。

近年の介護・福祉ニーズの多様化・高度化に対応し、人材の確保・資質の向上を図ることが求められている。

介護福祉士に関しては、従来の身体ケアを中心にした養成課程を見直し、認知症ケアなどの専門性を高めることが最大のポイントでした。

しかし、突然、この法律案に准介護福祉士という奇妙な資格の名前が載るようになりました。

新しく生まれた介護の国家資格。

この資格を手に入れるための条件は、ひとつ。

介護福祉士国家試験の受験資格を手に入れ、受験をして、「落ちること」。

国家試験に落ちた人が手に入れる国家資格。そんなのって、・・・あり?

准介護福祉士成立の背景

実はこの国家資格、フィリピン人介護福祉士の問題と大きく関連しています。

フィリピン等の海外から介護の人材を確保するための協定が結ばれていますが、 その協定の中では、4年間の日本滞在期間中に資格を取得することを条件としていました。

試験に落ちたら帰国しなければいけないという事態を避けるために、 経過措置として、試験に落ちても働き続けることができ、次回以降の国家試験を受けることができるように、 准介護福祉士という国家資格が生まれるにいたったのです。

准介護福祉士という名のねじれ

経過措置だとはいえ、介護福祉士の国家試験をクリアしないでも、 試験を受けさえすれば准介護福祉士の資格を手に入れることができ、 介護実務の業務を行うことができるわけです。

では、介護福祉士と准介護福祉士との間に、賃金などの格差が生まれるかといえば、期待もできません。

いま、ホームヘルパー2級と介護福祉士の間の平均月収でも6000円しか違いがないのが現状です。 (※平均月収 ホームヘルパー2級:16万円、介護福祉士:16万6000円、朝日新聞調べ)

だとしたら、介護福祉士と准介護福祉士の間に賃金格差などが生まれるわけもなく、 勉強して、自らの専門性を高めて、介護福祉士の国家資格を取得するという必要性はきわめて薄いのです。

フィリピン人介護職を受け入れる一方で、 厚生労働省は介護の質の向上のために、ホームヘルパー2級には介護実務を許可せず、 介護福祉士に一本化するという方針を打ち出しています。

国家試験というハードルを設けて、介護従事者の資質の向上をねらっていたはずが、 国家試験に落ちても介護業務につけるのであれば、 質の向上には直接つながらないのではないでしょうか。

また、ホームヘルパー2級などの介護実務経験者が、介護の業務に従事するためには、 実務経験のほかに要請講座600時間という膨大な時間のカリキュラムを受けなければいけないのです。

働きながら国家資格を手に入れるという可能性は、かなり絶望的なものになることが予測されます。

これだけ介護の人材が不足しているという事態であるにも関わらず・・・です。

介護職員基礎研修にしても、介護福祉士にしても、介護実務に従事する資格を取得するのに、 ホームヘルパー2級からステップアップするという道はかなり険しくなったのですから、 むしろ、ホームヘルパー2級の実務経験者が膨大な講習にかかる時間や費用をかることなく、 今回の准介護福祉士のように経過措置でも介護実務を継続できる方向性を打ち出すべきではなかったのでしょうか。

介護職員の資質の向上を目指しているはずの介護福祉士法の改正が大きくねじれている印象を受けます。

平成24年1月から、介護福祉士制度が変更されます。

これからも、介護の仕事をやっていきたい方は、まず、介護福祉士の国家試験に合格することを目標にしていきましょう。

厚生労働省:社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について(PDF)
HelpertownBLOG:国家試験落第者の資格、准介護福祉士が成立。これが資格と呼べるのか。

平成19年5月18日掲載

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