インフルエンザ対策!ホームヘルパーの感染予防。予防接種は?罹患者への訪問はどうする?
例年猛威を振るうインフルエンザ。
インフルエンザの集団感染で入退所やショートステイ受け入れができなくなる介護施設、感染者が出たために訪問スタッフが不足する訪問系サービス。インフルエンザは介護保険サービス事業においても大きな脅威になります。
訪問介護という仕事をしていくうえで、インフルエンザなどの感染症対策は非常に重要な課題です。
今回はホームヘルパーにとってのインフルエンザ感染予防やインフルエンザ罹患者への訪問についての情報をお伝えしていきます。
まずは予防が必要。感染予防には最善を尽くす。
まず、感染予防についてです。まずは予防からです。
出勤停止日数の数え方、感染したら復帰できるまで何日かかる?
感染したらその期間仕事もできなくなりますからね。
インフルエンザに罹患した場合、出勤停止期間は出勤することができなくなります。
多くの企業では学校保健安全法の出席停止の規定をもとに出勤停止期間を設定しており、その出勤停止を解くための条件は2つ。
- 解熱後2日経過していること
- 発症後5日経過していること
ちょっとわかりにくいのですが、発熱のあった最初の日は日数に含まないので、発症した翌日を1日目とカウントします。
同じように、熱が下がった日を解熱後一日とするのではなく、その翌日を解熱後1日目とカウントします。
図にまとめていますので、こちらを見ていただくとわかりやすいかと思います。発症3日目に解熱するパターンを図解してみました。この例だと、発症後5日経過と解熱後2日経過がちょうど同じ日のパターンに重なっています。発症したのが日曜日として、発症後1日目を月曜日にカウントし、金曜日までは出勤停止。水曜日に解熱しているので、2日経過した土曜日には出勤できるということです。
察しのいい方はわかると思いますが、発症したら一週間は出勤停止になると覚悟しておくといいでしょう。
時間や件数で給与がカウントされる非常勤のホームヘルパーさんにとっては非常に由々しき問題ですよね。もちろん、常勤も穴をあけるわけにはいかない、という事情があるかと思います。
自身の感染予防だけでなく、家族や周りの人から感染が広がる可能性もありますので、家族への感染予防の教育も大事ですね。
インフルエンザの感染予防がいかに大切か、意識していただければと思います。
インフルエンザの予防接種は自己負担?会社負担?
インフルエンザにはワクチンの予防接種があります。
成人だけに限らず、子供もインフルエンザの予防接種は義務ではありません。
以前は義務接種でしたけどね。
予防接種の金額は医療機関によっても違いますし、その年のワクチンの種類によっても異なります。
相場としては3,000円くらいから4,000円くらいの金額で医療機関で受けることができます。予約が必要なところもありますし、ワクチンが終了してしまうケースもありますので、必ず事前に連絡しておきましょう。
インフルエンザ予防接種の費用を、ホームヘルパー自身が負担するのか、それとも会社が負担するのか。
これは会社によって異なりますが、パターンとしては、
- 全額会社負担か、一部会社負担か、全額自己負担か
- 会社指定の医療機関か、各自で医療機関を受診するか
- 勤務時間中に予防接種するか、休みの日などに予防接種するか
- (事務職等含め)全従業員対象か 、訪問ヘルパーのみ対象か、常勤のみ対象か、対象者なしか
など、会社によって考え方も違いますので、規定などがあるのであればそれを確認するようにしましょう。
予防接種をしていたからといって感染しないわけではないですし、予防接種をしていたからといって重症化しないかといったら重症化することもありますし、予防接種の効果は限定的だという人もいます。
アナフィラキシー反応で接種できない人もいますから義務化することはできないと思いますが、効果うんぬんの問題ではなく、介護労働者としてのマナーとしてインフルエンザの予防接種はしておくべきと考える企業もあります。
マスクの着用。鼻や口、感染ルートを遮断する
家庭に訪問するホームヘルパー。
マスクをされることを嫌がる利用者もいるかもしれませんが、まずは感染予防のためにサージカルマスクの着用をお勧めします。必要であれば多数の利用者宅を訪問する上で、感染予防が必要であることをきちんと説明するよう心がけましょう。
訪問先にいるのは利用者だけとは限りません。
利用者の家族であったり、友人であったり、他のサービス事業所の職員であったり、サービスを利用しているということは不特定多数が出入りしている可能性がありますので、感染リスクも高くなります。
直前に訪問していた来客が感染していて、その飛沫などに触れてしまう可能性もあります。
触れたとしても、鼻や口などに入ってこなければいいので、そのためにもマスクは重要な役割を果たしています。
手洗い・うがいの徹底。ウイルスを持ち込まない。
もちろん、手洗い・うがいは重要です。
訪問先ごとに手洗いをするようにしましょう。
手についたウイルスを落とすのにはまずは手洗いです。爪の先や手首など、しっかり洗うようにしましょう。
訪問が終わったら、事務所やご自宅でも必ず手洗い・うがい。
習慣化するまでやっていきましょう。
インフルエンザ罹患者への訪問!
予防について説明してきましたが、訪問介護の事業所には過酷な依頼が待っていたりします。
ケアマネから一本の電話・・・。
インフルエンザにかかっちゃった利用者がいるんですけど、家族も感染しちゃってて~、・・・訪問入ってもらえません?
ひえええええ!!!!!
なんてうろたえることはありません。
しっかり準備をしてケアに当たりましょう。
なぜホームヘルパーはインフルエンザに感染している罹患者宅への訪問を断れないか
訪問介護事業所は断れません。
正当な理由なくして訪問を拒否できないことは訪問介護の運営基準にも記載されていますね。
じゃあ、ショートステイは?デイサービスは?
ショートステイを行う特別養護老人ホームなど、集団生活をする施設などはよほどなことでない限りはインフルエンザ罹患者を受け入れません。集団感染になるリスクを避けるためです。
となると、訪問介護や訪問看護など、訪問系サービスを利用していくしか方法はありません(重篤化して入院が必要な場合は除きますが)。
生活を支えるホームヘルパーの力が必要とされるのです。
ホームヘルパー自身が罹患しないために
インフルエンザ罹患者をケアする時には、まずはしっかりマスクをしましょう。
罹患者と接触する場合、よりウイルスを通しにくいN95マスクを使用するという事業所も中にはあります。
一般的に使用する使い捨てのサージカルマスクと比較すると、微粒子も通しにくいことと、立体構造になっているので息苦しくありません。
もちろん高価なので滅多なことでは使用することはできないと思いますが。
でも、大事なのはやはりマスクの着用・破棄のテクニックですね。
隙間ができないように装着し、マスクでしっかり鼻や口を覆うこと。そして、マスクをどこかに置いたりしないこと。
外すときは、マスクのひも(ゴム)の部分から外し、表面を触らないようにして廃棄すること。
罹患者の自宅からは何も持ち帰らない。
罹患者宅で使用したマスクやグローブなどもかならず利用者宅で廃棄するようにしましょう。
陰部洗浄用のボトルなんかも、共用のものを使うことは基本ないと思いますが、かならず置いてくるようにしましょう。
ガウンをするように指示される場合もあると思いますので、使い捨てのガウンを利用者宅で廃棄する。
汚染物の処理もきちんと密閉するように注意しましょう。
感染している可能性があるものは決して持ち帰らない。
これを徹底していくしかありません。
ホームヘルパーに最も必要なことは休養と栄養!
予防にしても、罹患者宅への訪問にしても、一番大事なのは、やっぱりホームヘルパー自身が万全の体調でいることだと思っています。
ストレスや寝不足、栄養不足であれば、感染に対する免疫力も低下します。
しっかり休む時には休んで、心身ともにリフレッシュする(時期的には不特定多数と人と接触する機会は避けた方が無難ではありますが)。
栄養もしっかり取るようにしましょう。この時期にはついた栄養が死亡になりやすいですが、大丈夫、夏になって代謝がよくなれば痩せる、はずです。きっと。
万全の体調と確かな知識をもってインフルエンザに立ち向かっていきましょう。
最後に・・・
どんなに予防していたとしても、感染したときは仕方がありません。出勤をあきらめるしかありません。無理をして感染を広げることは避けなければいけません。
会社に正直に話し、出勤できるようになるまでは療養に努めましょう。
出勤再開できたら、職場の人や利用者さんにお礼やお詫びをするようにしましょう。
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