国会で現在議論が続けられている「障害者自立支援法」。
障害者福祉を担う制度として登場した「支援費制度」は、
サービス利用者の増加とあまりにも甘い見通しにより、
あっという間のスピード破綻となりました。
障害者福祉にかかる財源を確保するためには、
新しいシステムが必要になりました。
最初に議論されたのは、介護保険制度との統合です。
介護保険との統合によって、介護保険料の負担年齢を40歳以上から20歳以上に引き下げ、 障害者も給付対象にするというものでした。
しかし、この引き下げには大きな反発があり、この統合は回避されました。
そこで、生まれたのが「自立支援法」のグランドデザインです。
この自立支援法の特徴をいくつかあげます。
まず、障害種別に関わらず、統合的なサービスが提供されます。
従来の知的・身体・精神といった障害種別の枠を取り外し、
福祉サービスを共通に利用できることによって、
地域の社会福祉資源を有効に活用することができます。
ここからはあんまり好ましくない話ですが、「応益負担」が導入されます。
介護保険同様、一割のサービス利用負担が発生することになります。
従来「応能負担」であったサービスを、「応益負担」に転換するのです。
が、支援費サービス利用者は所得水準の低い方が圧倒的に多く、
一割負担の導入はサービス利用の大きな障害になると言われています。
雇用の確保や十分な所得保障もないままに、負担だけを強いるシステムには大きな反発を招いています。
また、重度障害者を対象とした「ケアホーム」という制度が生まれます。
これは、グループホーム同様、少人数による共同生活の場なのですが、
グループホーム、ケアホームともホームヘルパー、ガイドヘルパーの併用は認められず、
生活の場をホームのみに閉じ込めてしまう、
つまり「プチ施設」化しているのではないかという批判があります。
支援費サービスで多く利用されていたガイドヘルプも
現在のように利用できる見通しは立っていません。
さまざまな問題を抱えつつ、「自立支援法」は成立を迎えようとしています。

この法律を知るには良い!!国会では「郵政民営化」問題の影響で、
議論は遅々として進まず、十分な議論がなされないまま、ごり押しで成立を迎えようとしています。
7月上旬に制定されるのではないかとの見通しとなっています。
障害者団体の多くは全面反対を主張しています。
が、現状の国家財政を考えると、
支援費制度だけが税金で保護されるというのは非現実的と言わざるを得ません。
いかに、「自立支援法」の制度下で低所得者の負担を軽減し、
サービスの量を確保するか、
という点がポイントになってくるでしょう。
この問題続出の「自立支援法」ですが、
2009年の介護保険との統合をも視野に入れています。
現在の障害者福祉と高齢者福祉のサービス体系をすり合わせる
その段階でこの「自立支援法」が形作られたともいえます。
いわば、2009年の介護保険との統合へむけた「中継ぎ投手」といえます。
2009年、もしくは来るべき新制度にむけての準備期間。
この制度がどのような結果をもたらすのか、
注目してみたいと思います。
平成17年 掲載