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介護の資格を取るなら?ホームヘルパー2級養成研修、平成24年度末で廃止へ

公開日: : 最終更新日:2019/07/05 コラム

ホームヘルパー2級養成講座は、2012年度末で廃止。介護職員初任者研修へ移行。

ヘルパー研修廃止後の資格制度について

既に2004年から発表されていたことですが、2012年度の末でホームヘルパー2級の養成講習が廃止されることになりました。

2004年にこのサイトに掲載させていただいた記事がこちらです。

ホームヘルパー井戸端会議:介護の資格、介護福祉士に一本化

現実的には、カリキュラムがさらに増える介護福祉士で一本化することは困難となり、
新たに「介護職員初任者研修」という課程を新設することとなりました。

これまで、介護の資格を目指す人にとって、一番身近な研修課程が「ホームヘルパー2級」でしたが、
今後はそれが「介護職員初任者研修課程」というものになるようです。

これは厚生労働省が発表した、「今後の介護人材養成の在り方について」という資料に掲載されていますが、
平成25年度からは、介護人材のキャリアパスは認定介護福祉士を頂点としたピラミッド構造に統一化され、
その一番下に位置するのが介護職員初任者研修の修了者ということになります。

※下図のイメージ参照

介護人材キャリアパスイメージ

介護職員初任者研修課程とは

「介護職員初任者研修課程」が、これまで行われてきた「ホームヘルパー2級養成課程」に代わるものであることはイメージできたのではないでしょうか。

そのカリキュラムも発表されています。

研修にかかる時間も同じ130時間程度となっております。

大きな違いは、ホームヘルパー2級課程では必修だった30時間の実習が廃止されるということです。

130時間のうちの30時間を占めていた実習が廃止されるのは、
施設実習などで十分な指導ができていない現状なども反映してのことではないでしょうか。

こちらが介護職員初任者研修課程のカリキュラムになります。

職務の理解6時間
介護における尊厳の保持・自立支援9時間
介護の基本6時間
介護・福祉サービスの理解と医療との連携9時間
介護におけるコミュニケーション技術6時間
老化の理解6時間
認知症の理解6時間
障害の理解3時間
こころとからだのしくみと生活支援技術75時間
振り返り4時間
(合計)(130時間)

ここで注目してほしいのは、「こころとからだのしくみと生活支援技術」という課程に75時間もの時間を割いているということです。

実際行う介護技術の演習なども含めた時間なので、このような時間設定になるのだと思われます。

実習も廃止される分、実技や技術の講習に力を入れていることがうかがえます。

筆記試験のある介護職員初任者研修

そして、もうひとつ。大きな違いは、介護職員初任者研修には筆記試験があるということです。

ホームヘルパー2級研修課程には試験などがなかったため、受講した人は誰でもホームヘルパー2級として介護の仕事に就くことが出来ました。

筆記試験の内容がそれほど難易度の高いものとは考えられませんが、心理的にはプレッシャーもかかります。

2013年度から、介護に関するキャリアパスはこの新しい体制に変更されます。

ホームヘルパー2級をすでに取得している方は、移行措置として、介護職員初任者研修課程の修了者とみなされ、
今後も継続して介護の業務に就くことができます。

介護の仕事を始めてみたいと考えている方で、試験を受けることに抵抗がある方は、
できるだけ今年度のうちにホームヘルパー2級課程を修了することを考えてみてもいいのではないでしょうか。

今回紹介した介護職員初任者研修について、別のサイトでまとめておりますので、
詳細はこちらのサイトをご覧ください。

介護職員初任者研修課程ナビ

※個人的には「ホームヘルパー」という研修課程の名前がなくなることについては、とても寂しく感じています・・・。

平成24年9月4日掲載

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