いま、介護の人材不足は危機的な状況です。
離職率の高さに加え、介護の職場を希望する人や介護専門学校への入学者の減少、 介護現場は深刻な人材不足に陥っています。
その背景と、今後についてここでまとめていきたいと思います。
厚生労働省は、2014年には140~160万人の介護職が必要になるという見解を発表しています。
現在、介護労働を行っているのは100万人。
つまり、今よりも40万人以上の介護職が必要になるという計算になります。
にも関わらず、現在も介護現場の人材不足はまったく解消されていません。
最大の原因は離職率の高さ。
介護の仕事に就く社員の35.2%は一年以内に離職し、79.2%は三年以内に離職しています。
この数字は他の産業に比べても極めて高い数字です。
その最大の要因は、給与の低さや昇給の少なさにあることは間違いありません。
介護報酬が定められている以上、給与の水準を上げたくても限界があります。
それでも、厚生労働省は、事業者による自助努力で介護職員の給与・待遇を改善するようにとの主張を繰り返しています。
既に事業者の努力によって解決できるレベルにはないわけで、間違いなく、厚生労働省は現状を理解できていません。
なおかつ、介護の労働には高い質を求め、介護の基礎資格をヘルパー2級から介護福祉士に統一するという決定もされています。
こんな状況で、誰が10年後の介護を担うのでしょうか。
介護の人材不足が広く知れ渡るようになったのは、コムスンによる不正問題がメディアで盛んに取り上げられたことがきっかけです。
訪問介護をはじめとする介護の現場での人手不足の現実が浮き彫りとされました。
が、世間の関心とは裏腹に、その対応策はまったく進んでいません。
厚生労働省は、
「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置 に関する基本的な指針』の改正についての諮問」
において、人材不足の解消のために以下のような対策を行うことを求めています。
テクノロジーが発達して介護労働の肉体的負担が軽減しても、 キャリアアップの仕組みが確立したとしても、 現在のような給与水準では家族を養うということすらも難しいのですから、 これからも介護労働者は確保することはできず、何の解決にもなりません。
結局、根本的な解決としては、まずは給与等の労働環境の改善以外には考えられません。
にも関わらず、介護報酬の底上げに関しても、社会保障費が大幅に削減される中で、 改善される可能性は薄いといわざるを得ません。
悲鳴を上げる介護事業者、現状から目を背ける厚生労働省、増え続ける高齢者。
高齢化社会がピークに達する2015年の介護は誰が支えるのか。
現状を最もよく知っている現場で働く介護労働者が、もっと声を大にして社会に訴えていくことが必要です。
平成19年10月20日掲載